一般的にクルマのお手入れというと、いわゆるワックスがけを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
大切な愛車の塗装を保護するのに、昔から塗られているのがワックスです。それに対して、比較的新しいのがカーコーティング。ただ、ボディに塗るのはすべてワックスと思っていて、そもそも区別できていない人も多いのではないでしょうか。
まずは成分的な違いを説明しましょう
ワックスの主成分は「油」
ワックスは主に蝋(ロウ)と石油系の溶剤で構成されています。簡単にいえば「油」です。
塗装面にワックスを塗ると深い艶を演出することができますが、その被膜は不安定な半液体の状態で塗装面に乗っています。そのため雨や洗車で油脂分が簡単に流出し、残った蝋(ロウ)は角質化して水垢の原因になります。また、耐熱性も低いため、すぐに蒸発し、持続期間は約1ヶ月程度と短命です。
ワックスというときに指すのは「固形ワックス」のことが多いですが、固形ワックスはパラフィンなどの油分を主成分としているのが特徴。
そしてワックスにはもうひとつあって、それが半ネリといわれるものです。日本オリジナルのワックスで水性なのが特徴。
実物を見てもかなり柔らかくマーガリンのようで、塗りやすくて拭き取りやすいので、作業性がとてもよく、その昔は汚れ落とし(クリーナー成分が強いものも多い)として固形ワックスの前処理に使われていたこともあります。
コーティングは分子と分子の結合体
コーティングはワックスとはまったく違い、化学的に効果を発揮するのが特徴です。
つまり化学薬品なのです。ワックスは塗装の上に乗っているだけなのに対して、分子として吸着するので効果は長く続き、さらに強力水弾きをウリにしていたりもしています。
カーコーティングは大きく分けてガラス系とポリマー系の2種類があります。
それぞれ一般的にいわれる特長と欠点がありますが、例外もございます。
特徴を整理しておくと、ワックスは光沢に優れるのは大きなメリットですが、耐久性には欠けるので、マメな施工(1カ月に1回ぐらい)が必要だし、油分ということでボディから流れ落ちたものがガラスに付いて、油膜の原因にもなります。
コーティングは化学的に塗装面に吸着するので耐久性に優れ、さまざまな薬品が配合できるので撥水を高めることもたやすく、最近ではガラス系が主流になりつつありますが、主成分の珪素を配合して威力を発揮させられるのもコーティングならではです。ただし、ガラス系のコーティングは、強い撥水性があり耐候性・耐熱性・耐薬品性に優れているが、ツヤは深みに欠けることもあるだけに、ツヤに関しては固形には負けるというのがデメリットでしょうか(最近は改善されつつあるが…)。
ポリマー系のコーティングは、シリコーンやフッ素などを含んだポリマー(高分子重合体)で構成されています。
これが塗装面に定着するとき、化学反応の一種である「架橋反応」が起こり、分子と分子が結合した強靭な被膜を形成するのです。
密度の高い網目状の被膜だから、ススや油など各種の汚染物質が進入するのをブロック!耐熱性や耐候性もワックスよりはるかに長寿命で、効果の持続期間も約3ヶ月から約1年、3年と長いのが特徴です。しかし、定期的に被膜のメンテナンスが必要になり、ポリマー系の中でもポリエチレンは特に丈夫ですが、長い年月を掛け紫外線によって酸化していきます。
どっちがいいかは、クルマの保管状況、作業時間の有無などを考慮に入れ、性能の耐久期間と価格のバランスを吟味して、ライフスタイルやツヤも含めて好みということになりますが、ボディに何も掛けないのは「なし」ということで、ボディはしっかりと保護してやるのが何よりも大切です。
辰口自動車販売㈱ではコーティグの施工も行っていますので、スタッフに相談すれば、自分自身も気づかなかったことがわかって、最適なカーコーティングメニューを提案してくれます。愛車をキレイに保ちたいけど、時間がなくて…という方はお気軽にお問い合わせください。